夜寝ている時に、急に体が動かなくなる現象を金縛りと言う。金縛りの最中は、意識はあるのに体が動かない、耳鳴りがする、体がぞわぞわと触られているような感覚がある、幽霊のような影が見えたなどの現象が起こることがある。そのため、心霊現象としてよく話題に上がることがある。

しかし、近年では金縛りに遭うのには原因があるという医学的な意見が出てきた。医学の情報によると、金縛りは睡眠障害の一種である睡眠麻痺であると言われている。睡眠障害は、睡眠不足、ストレスや疲労の蓄積、睡眠の質の低下などで引き起こされる不眠の症状だ。

人の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠が規則正しく訪れる形で成り立っている。しかし、睡眠のリズムが崩れてしまうと、レム睡眠の最中に意識が覚醒してしまうことがある。それは、いわゆる体は寝ているのに、意識だけがある状態となる。そのため、金縛りのような状況に陥ってしまうという見解になっている。

金縛りは比較的若い世代に起きることが多いと言われている。思春期は、身体の成長やストレスで心身のバランスが不安定になりやすい。こういった点も理由の一つとして言えるだろう。もちろん、不規則な生活や夜更かしや夜勤なども睡眠リズムを崩す要因となるため、金縛りを起こしたくないのなら、なるべく規則正しい生活を心掛けるのが大事だ。

人は金縛りに遭うと、恐怖を感じて早く解こうと無理に体を動かそうとしがちだが、それは逆効果だと言われている。金縛りにあった時は焦らずリラックスし、身体の力を抜いて指先から少しずつ体を動かすのが重要とされている。医学的観点から見たら、金縛りは怖いものではない。もし、金縛りにかかった時は疲れていることを自覚し、ゆっくり休むことが大切だ。